2階建ての専用の柿干し場やビニールハウスに柿のれんを移し、3週間~1カ月ほど乾燥します。
渋みのないもっちりとした食感の市田柿に仕上げるためには、柿の状態に応じて干し場の窓等を開閉し、湿度と温度を調節しながらじっくりと乾燥を進める必要があります。
飯田下伊那地方は東西を中央アルプスと南アルプスに挟まれた「伊那谷」と呼ばれており、そのほぼ中央を天竜川が流れています。
市田柿の加工が始まる晩秋の頃になると、毎朝のように天竜川から川霧が発生します。
この川霧がもたらす適度な湿気が市田柿をじっくり乾かすための自然の‟加湿器”となっており、独特の食感を生み出しています。この地域ならではの自然の恵みです。